2017/06

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最近あった、青春先での出来事。

当日の業務を終え、そろそろ帰り仕度でもしようかと考えていたその時、上司に連れ添い、カメラを携えた数人の男女が現れた。

「すみません、私達、配達関係の仕事の為のアプリを開発しているものですけど」

なんでもその男女は、配送の仕事をしている人向けに、配達業務に関する全ての事柄をタブレットやスマホで管理できるアプリを開発している会社から派遣されてきたとの事だった。

「アプリを操作して、作業をしている画像がほしいんですよ。どなたかに被写体になってほしいんですけど。」

初夏のような陽気だったその日、タブレット端末をいじりながら、若干汗ばんだ小太りの男性が言う。
女性は撮影係だろうか。デジタル一眼レフを首から下げ、倉庫の中や車の写真を撮っている。
「誰か手伝ってくれるかな?」
上司が言った。

その場には、俺以外に数人の従業員がいた。
皆年配の方ばかりだ。

「いやいや、俺はいいよ」

一人、二人。面倒くさい事は御免だとかぶりを振る。

まだ仕事場の輪に溶け込めていない俺は、早く帰りたいなと、帰ったらご飯食べて…等と我関せずな気持ちでその様子を端から眺めていた。

三人、四人…。

だんだんと減る被写体候補。
その時、どこからともなく注ぐこちらへの視線に気付いた。
その線量は反対に増して行く一方のようだ。
「…イヤな予感…」

予感は的中する。
その視線の正体、上司の視線と目があった。
「おい君。やってくないかな?」

「え…、勘弁してくれよ…。」

ただでさえまだ慣れていないその場から、一刻も早く立ち去りたいのに。
さらに俺は、バンドマンとして、表現者としては致命的だが、写真を撮られるのがだいの苦手なのだ(理由は、キメ顔をしたつもりでも、なぜかニヤけて写ってしまう。カッコいい自分を意識してポーズを決めている自分が、段々と滑稽に思えてどうにもこうにも笑いが止まらなくなってしまう、等)。

嫌なものは嫌だ。
意思は伝えなければ。
「ごめん、無理。」

そう口に出すはずだった。

しかし、次の瞬間出た言葉は。
「あ、わかりました。」

屈服した。
上司の視線。まだ新入りなんだからお前やれよと言わんばかりのまわりの空気に。

ロックのバンドマンが、聞いてあきれる。

「いやー、ありがとね。頼むよ。」
上司が言う。

「あ、いえいえ。」
愛想笑いを浮かべながら、アプリ開発者達のもとへと向かった。

「すみません、お忙しいところ。すぐ終わらせますので。」

小太りの男性と、撮影係の女性がどういう構図で撮るのが良いのかを打ち合わせをした後、撮影係の女性が言った。
「まずですね、このタブレットをこの角度で持ってもらって…操作してる感じで手を置いてもらって。あ、そうです。では、いきまーす。」

軽くポーズをとる。

カシャッ…カシャッ…。
響くシャッター音。

「あ、良い、良いですね!良い感じです!」
とても満足げな声で言う撮影係の女性。

「こんな感じですね。」
撮った写真を、小太りの男性に見せる。

「あー、良い!すごく良いです!」
男性も気に入ったようだ。

「この調子で、もう何ショットかいきましょうか!」

また、別角度からのショット、

カシャッ…カシャッ

再び女性は言う
「うわー、すごく良い感じです!ありがとうございます!いやー、良いな!」


「えらい誉めようだな。社交辞令ってやつか。そんな言葉に簡単に乗せられるかってんだ。」
俺は思った。

何ショットかを終え、女性は再び撮った写真を男性に見せる。

「ふんふん。…おお!良い!これですよこれ!思った以上だ!」
ご満悦のようだ。

こんな撮って誉めてのやり取りを続けて数回、自分のなかにある感情が芽生えたのに気付いた。
「…まんざら悪くない…かな。」

そんな言葉に簡単に乗せられていたのだ。

追い討ちで、男性が言う。
「いやー良い!狙った通り!つーか、何しろ、被写体が良いですもん!」

ノックアウト。

「え、いや。そう…っすか?へへ。」
はにかんで笑う、アラフォー男。


「じゃあ次は、車の方で撮りましょうか!」

「オッケイでーす!」
気付けば進んで撮影に参加する俺がいた。

男性の誉めは止まらない。
「そう、その靴良いですよね!」

作業中に履いているのは、重量物から足を守る安全靴だ。安全靴というのは、おおむねブーツタイプか、地味な運動靴の先に鉄板を入れてあるタイプなのだが、俺が履いてたのはハイカットのスニーカー風なファッション性が高いもので、自分でもお気に入りの一足。

「ちゃんと、見てくれてるんだな。」
安心感にも似た感情が流れる。

続く撮影。
「では、いきまーす!えーと、タブレット持ってもらって。角度は…このくらいで操作してる感じで…。そうですね。オッケイです、撮りまーす!」

カシャッカシャッ…

「うんうん!オッケイオッケイ!言うことないですよ!」

この人達なら、撮られても大丈夫だ。
いつの間にか撮られる事への苦手意識は消え、むしろ要望以上のものを出そうという欲も見えてきた。

顔は少し笑った感じ、キリッとした感じ等いろんな表情を自分なりに作ったり、さっき誉められた靴を軽く意識したり。


カシャッ…カシャッ…カシャッ…カシャッ……



「はい!ありがとうございます!以上で終了です!いやー、本当に助かりました!」

撮影終了。
時計を見ると、撮り始めから30分ほど経過していた。
小太りの男性はさらに汗ばんでいる。

「やっぱ被写体が良いと、写真も良くなりますね!」

「いやいや、はっは。」
生まれた、撮影する側される側同士の信頼感。そしてやり終えた達成感がその場を支配する。

「あ、最後に今日撮った写真、見ますか?」
女性が言った。

「あ、是非是非お願いします。」

今日撮った写真の一覧が、デジタル一眼レフの画面にマス目状に表示された。


「え?」


そこには、タブレット端末と操作する手のアップで構成された、被写体が何者かなどまったく関係のない写真群が映し出されていたのだった…。


運命

「アタシ、マッチョと演奏する美学は持ちあわせてないの」


人生の中には、いろんな転機がある。
その中で、多かれ少なかれ生活を支える金銭を稼ぐ為の仕事(俺は音楽以外の金の稼ぎを青春と呼んでいる)を変えるという出来事は、人生の中でもかなり重要な位置を占めるのではないだろうか。

前の青春先に勤め3年。
「そろそろここも潮時だな」
と、別れを告げた今年始め。
それから1ヶ月ほど、ぷらぷらと流れ歩き今の青春先にたどり着いた。
早2ヶ月ほどが経とうとしている。

新しい仕事の内容はといえば、車で物を運び届けるという実に単純なもので、車の運転が人並みに出来る事。
道を知っている事。
そして、物を運ぶ体力というものがあれば特に難しい事はない。

勤務開始。
車の運転と道に関しては今までの経験から特に問題なくこなすことができた。

しかし最後の「体力」。
これが持ち合わせていなかった。

取り扱う思っていた以上の重量物に、
「はっ!……っっ……くはー。……ぜー……はー……」
一つ物を持ち上げ、下ろすだけで切れる息。悲鳴をあげる手首を始めとした関節達。日に日に強くなる筋肉痛。
まだ三月だというのに吹き出す汗。

仕事が終わり帰り道、良かれと思い進んだ先にはよくありがちな感情が、待ってましたとばかりに襲ってきた。
「こんなはずじゃなかった…。」

夜がさしせまり、冷たい風が頬を刺す。
手首も痛い。そして筋肉痛も…。
いっそこのまま逃げ出そうか。

しかし、負けん気だけは良くも悪くも強い方だ。
まだ地道にでも音楽活動を続けているのは、その為かもしれない。


「どんな時も逃げない」


これは俺の美学だ。

そして現在。
気付けば、体力がついたのか、重い荷物も苦にはならなくなっている自分がいる。
腕も心なしか筋肉がついたみたいだ。

そんな中、先日のライブ。

本番前に、吉祥寺でスタジオに入った時の事。
バイオリンのアヤさんが俺の姿を見て言ったセリフが冒頭の言葉。

アヤさんの美学のまえに、俺の美学がよろめいた瞬間であった。


運命

ロザンナ、ライブ決まってます。
○4月22日(土)三軒茶屋ヘブンズドア
○5月7日(日)吉祥寺planet K

4月22日のライブは、早割りチケットあり。

この日はロザンナ、ひさびさのスリーピース。
ベースはVeryApeから、Ape君です。


○2017年4月22日(土)
三軒茶屋HEAVEN'S DOOR

「開花宣言」
半年振り、3度目!
満開な僕たちの、終わらない開花宣言!!
お〜〜い!酒持ってこ〜〜い!!!

【出演】
ロザンナ
妖精達
ヒステリカヒストリア
kaysuke from THEDECEMBER
Very Ape

【似顔絵アイコン】
こむじむ(ライブハウス出身イラストレーター)

【FOOD提供】
BORDERS

【開場】 18:30 【開演】 19:00
【前売】 2,000円 【当日】 2,500円(各 1drink)
※枚数限定「早割ディスカウントチケット」有り(イープラスにて3/17〜3/31 1,000円)
イープラス チケット販売ページURL
http://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050001P002219740P0030001P0006

イベント特設サイトURL
http://kaikasengen.com/

このイベントタイトル、大好きだ。

いつも飲んでるが、この日も飲もう。

運命

最近、酒のある場でも、最終電車で帰るというつまらない行動をとるようになってきてしまった。
改めなければ。

さて、一昨日夜のロク嘘でのDJ。
毎月行われている「MIDNIGHT RUN」なるこのイベント。
毎回テーマがあり、今回はThe beach boysとCARPENTERSをフューチャーする夜だった。

前々から、ジャストで合わせなくて良いと聞いていたので、Elvis presleyの「beachboy blues」と、内山田洋とクールファイブで「イエスタデイ・ワンス・モア」をチョイス。

他、友川カズキ「思惑の奴隷」「桜の国の散る中を」淡谷のり子「浮気女の嘆き」等、ノルよりもキカセル方向でプレイ。
いやはや、楽しい夜だった。

そういえば数年ぶりに、DJ嫁の金というクズの中のクズ的な名称を手にいれていた同郷人、コムラ君と話をした。
彼とは3歳差なのだが、偶然俺の同級生s君と知り合いで、数年前ライブにそのs君を呼んでくれたり、飲んだりもした。
思えば中学の時、紅くらいしか知らなかった俺に、XのBlueBloodを貸してくれたのがs君だった。

コムラ君(現DJ嫁の金)によると、そんなs君は今、何かのゲームのコスプレにはまっているらしい。
確かに昔から、そういう気があるなとは思っていた。
中学生の頃の俺の目も、あながち間違っていなかったようだ。

運命


DJ嫁の金

今夜、ひさびさDJやります。
場所は新宿ロックンロール以外は全部嘘。

MIDNIGHT RUN vol.13
date: 2017.02.10 (Fri)
venue: 新宿music barロックンロール以外は全部嘘
open: 19:00
start: 19:30
fee: FREE
pickup: The Beach Boys, Carpenters

《DJs》
Ko-Hey (JUKE BOX JIVE)
DJ嫁の金
Sparky
シゲ (THE ELEKING)
オダカノリユキ (THE ELEKING)
Soh
阿野運命 (ロザンナ)

ビーチ・ボーイズとカーペンターズをフューチャーした夜。

お時間あれば是非。


運命